日傘の色が与える効果とは?
日傘はファッションアイテムのため、機能だけで選ぶ必要はありません。ただし、外側と内側の色によって、どのような違いがあるかをあらかじめ理解したうえでの購入がおすすめです。
実際に、日傘の色は、紫外線対策や涼しさに大きな影響があります。また、内側と外側の色の選び方によっても異なります。この記事では、色がもたらす効果を説明し、おすすめの選び方を説明します。
結論
紫外線 (UV) 対策が最優先という方には、黒色 (外側) & 黒色 (内側) がおすすめです。
紫外線 (UV) 対策だけでなく、暑さ対策もバランスよく兼ねたいという方には、白色/薄い色/シルバー (外側) & 黒色 (内側) がおすすめです。
ラミネート生地を使用した日傘を使えば、紫外線 (UV)と暑さ対策の効果がさらに期待できます。
光の種類によって、選ぶべき色は変わる
遮光という言葉が一般的になりましたが、実際には光は一種類ではなく、様々な種類があります。
具体的には、紫外線(UV)、可視光線、赤外線(IR)が含まれており、それぞれ与える影響も異なれば、選ぶカラーも違ってきます。
紫外線 (UV) の観点からは、外側と内側に暗い色(黒色)がおすすめ
日傘の利用目的で最も多いのが紫外線(UV)カットです。
紫外線 (UV) は、波長によってUVAとUVBに分かれ、それぞれ異なる影響を与えます。UVAは肌の老化を引き起こし、UVBは日焼けを引き起こす要因です。日傘は、紫外線 (UV) に対して、吸収・反射・ブロック(透過させない)の3つのアプローチでUVをカットします。
外側のカラー: 暗い色のほうが、紫外線 (UV) 吸収効果が高い
紫外線 (UV) 吸収効果が高いのは、外側に暗い色を使用した傘です。
外側が明るい色の日傘は、紫外線 (UV) を完全に遮断するわけではないため、暗い色のものと比較すると、紫外線防止効果が少し劣ることがあります。
ただし、外側のカラーが暗い場合には、傘の下に熱がこもりやすく、使用時間が長いほど、熱くなってしまいます。
内側のカラー: 暗い色のほうが、紫外線 (UV) 吸収率が高い
紫外線 (UV) 反射率は、地面からの照り返しのことで、気象庁によれば、道路 (アスファルト) で10%、砂浜25%、新雪では80%にも達します。
光を反射しやすい白などのカラーは、地面から反射した紫外線が、傘の内側で再反射することになります。つまり、空→地面→傘の内側→自分という順番で、紫外線が反射します。
内側が暗い色は、これらの反射光の吸収が期待できます。
可視光線の観点からは、内側は暗い色(黒色)
可視光線は、波長400〜700nmの光で、目に見える範囲の光です。
外側のカラー: 可視光線を反射するのは明るい色、吸収するのは暗い色
明るい色と暗い色でどちらにもメリットがあります。
やはり、外側が暗い色の日傘は、吸収された光が熱として蓄積されやすく日傘の下が暑くなりがちです。
内側のカラー: 可視光線の吸収率が高いのは、暗い色
紫外線 (UV) と同じように、内側のカラーに暗い色を使用した日傘は、照り返しの可視光線を吸収するため、視覚的な快適さが向上します。
反対に、内側のカラーが明るい色だと光を反射しやすく、眩しさを感じやすくなります。
暑さ対策の赤外線の観点からは、外側は明るい色 (白色)、内側は暗い色 (黒色)
赤外線 (IR)は紫外線や可視光線とは異なり、主に熱エネルギーとして感じられるため、日傘の遮光や涼しさに直接影響を及ぼします。赤外線は熱エネルギーの光で、特に波長700nm以上のものを指します
外側のカラー: 明るい色は赤外線を反射しやすく、内部温度の上昇を抑える
赤外線を反射しやすいのは、明るい色です。
内側のカラー: 暗い色は、赤外線の吸収率が高い
紫外線 (UV) および可視光線と同じように、照り返しの反射を吸収することが効果的なため、内側のカラーには暗い色がおすすめです。
内側は黒色。外側のカラー選びは、メリット・デメリットあり
以上のことから、日傘の内側は、黒色 (暗い色) がおすすめです。紫外線 (UV)・可視光線・赤外線 (IR)の反射を吸収するためには、明るい色をおすすめできる理由は見つかりません。
外側のカラーは、暑さと紫外線、どちらを重視するかで選択
難しいのは外側のカラーです。
紫外線 (UV) カットに強い暗い色と、暑さ対策に強い明るい色では、選ぶ色が逆になってしまいます。
基本的には、紫外線 (UV)と暑さのどちらを重視するかで選ぶことがおすすめです。
紫外線 (UV)カットと暑さ対策、両方にこだわりたい方には、ラミネートがおすすめです。
暑さ対策の、外側が明るい色+ラミネートの組み合わせ
日傘に求めるのは、紫外線 (UV) 対策と、暑さ対策の二つあると思います。
暑さ対策を考えると、外側のカラーは、熱が蓄積しづらく赤外線の反射効果がある明るい色を選ぶことをおすすめします。
具体的には、白色、ベージュ、シルバーなどです。
紫外線対策に効果的なラミネート生地
紫外線 (UV)にも、徹底的にこだわりたい場合は、ラミネートがおすすめです。
日傘の中には、紫外線 (UV) や赤外線が透過しにくいように、多層になった生地 (ラミネート) を使用している場合があります。
多層になっていることによって、紫外線 (UV) が日傘の生地を通り抜けることを防ぎます。
また、多層になっているため、光を透過させづらくします。
さらに、チタンなどが含まれていれば、紫外線の反射効果も期待できます。
このように、生地レベルで紫外線 (UV) カット効果が高い日傘を選べば、紫外線対策もしつつ、外側のカラーも相まって、涼しさとの両立は可能です。
以下の記事では、ラミネートの持つ特徴を詳しく解説しています。
明るい色 (特に白色) は汚れに弱い、暗い色 (特に黒色) は色あせに注意を
暑さ対策の観点から、明るい色をおすすめしましたが、明るい色は汚れが目立ちやすくなります。
特に注意する必要があるのは、外側のカラーで白色を選ぶ場合です。
白色はとてもおしゃれですがどうしても汚れやすくなります。汚れが気になる方は、ベージュやオフホワイトなどの少しだけ色がついたものを選択しましょう。
外側のカラーで黒色を選ぶ場合は、どうしても色あせが見えやすくなります。
色あせが気になる方は、グレーなどを選びましょう。
日傘のカラー選びは目的をはっきりさせてから
日傘はファッションアイテムのため、機能だけで選ぶ必要はありませんが、外側と内側の色によって、どのような違いがあるか、あらかじめ理解したうえでの購入がおすすめです。
紫外線 (UV) 対策と暑さ対策の両方をバランスよく取りたい場合は、外側には明るいカラーと内側の暗いカラーの組み合わせがおすすめです。
徹底的に紫外線 (UV) 対策に拘る場合は、外側にも暗い色を選びましょう。
また、遮熱効果の高いラミネートを使用した日傘を使えば、紫外線 (UV)と暑さ対策の効果をさらに高めることが期待できます。